シラバス | - [授業の方法]
- 講義・演習
- [受入人数]
- 80名程度
- [受講対象]
- 自学部他学科生 履修可; 電気電子工学科の開講科目であるが、人数に余裕がある場合は、他学科からの受講も可能
- [授業概要]
- 本科目は技術について学び、考える科目である。学部課程を修了して就職するにせよ、大学院に進学するにせよ、ほとんどの者が技術を創り出すこと、あるいは使うことに関係し続けてゆく。
学生諸君は技術とは何か、技術することはどういうことなのかについて、いままでに何を学び、いま何を考えているだろうか。これから何をしようとしているのだろうか。多くの学生諸君は一人前の技術者として働いた経験を持っていない。研究者としての経験もない。企業などの組織の管理者、経営者の経験もない(部活で主将などをやったことがあるかもしれませんね。貴重な経験です)。それは当然である。これから経験すればよい。
しかし、無手勝流で社会に飛び込んでゆけばよいのだろうか。一人前の社会人は、個人として、あるいは組織人として、どのような課題に直面し、何を考え、どうやって解決しているのかを、学生時代に多少なりとも知識として知り、あるいは事例学習を通して仮想体験することに関心を持つ人も多いのではないか。そのような知識や体験を持つか否かによって、社会人としてのやりがいも楽しさも変わってくると、私(担当講師)は考えている。
これらの諸点について、技術者倫理を軸として、学生諸君がクラスの仲間や講師と共に学びあい、自らの能力を高めてゆくのがこの授業である。授業では、数多くの事例を取り上げて学習する。履修学生には、事例を調査(予習・復習)し、自らの意見を述べるなどの自律的学習態度が求められる。
- [目的・目標]
- [目的]
技術を生業(なりわい)とする専門的職業人として、楽しく充実感を持って社会で活躍するために、必要とされる倫理的素養を身に付ける。
[目標]
| 科目の達成目標 | 関連する授業週 | 達成度評価方法 | 科目の成績評価全体に対する重み |
1 | 倫理的な課題が内在する事例に対し、その課題の存在を把握できるようになる。(感受性の涵養) | 1-15 | レポート等 | 25 % |
2 | 倫理的課題解決に役立つ知識を獲得する。(知識の獲得) | 1-15 | レポート等 | 25 % |
3 | 種々の制約条件の下で、複数の解決策を考え、その中から合理的理由付けを行った最適解を提案できるようになる。(解のデザイン力の獲得) | 1-15 | レポート等 | 25 % |
4 | 上記3項目に関連して、多面的なものの見方、他人の意見を聴く力、自らの意見を主張する力、チームとしての意見をまとめる力などを獲得する。 | 1-15 | レポート等 | 25 % |
- [授業計画・授業内容]
- 授業計画・授業内容のあらすじは次の通りである。
序盤:序論で15回の授業の全容を見通したのち、学生とは何か、大学とは何かを考える。
中盤:教科書を使って、事例討論を通して、技術者倫理課題に直面したときの課題解決力を体得する。それに付随して、自分の意見を相手が理解できる形で表明する力、相手の意見を理解しそれに対して質問する力をつける。
終盤:研究すること、技術することとはどのようなことなのかを学ぶ。企業行動、リスクと安全、法と社会、知的財産権の重要さ等についても学ぶ。
昨年度の15回の講義のポイントは、以下であったが、細部は教室での質疑やレポートなどによって、随時修正する。
- ガイダンス 本科目を通して何を学習しようとしているのか、自ら学習したいことは何かについて確認する。
- 倫理の規範性と普遍(教科書の事例集を使用する)
- プロフェッションと倫理綱領
- 利益相反と警笛鳴らし
- 東海道新幹線開発事例(教科書の事例集を使用する)
- 研究者の倫理
- 教科書の事例集を使ってのグループ討議(1)
- 教科書の事例集を使ってのグループ討議(2)
- 教科書の事例集を使ってのグループ討議(3)
- 教科書の事例集を使ってのグループ討議(4)
- 教科書の事例集を使ってのグループ討議(5)
- 教科書の事例集を使ってのグループ討議(6)
- 技術と技術者の倫理について学習 ー 組織の社会的責任や企業活動のあるべき姿
- 法と社会、知的財産権などを学習
- まとめ
- [キーワード]
- 技術者倫理 ,企業倫理,科学技術,エンジニアリング,デザイン
- [教科書・参考書]
- 「事例で学ぶ技術者倫理 − 技術者倫理事例集(第2集)」,電気学会,2014 年9 月
- [評価方法・基準]
- 毎回,授業中にテーマに関連して考えたことを演習レポートとして提出させ,各回のポイントを踏まえた議論がなされているかの観点から評価する。宿題の提出状況を評価する。さらに,授業の最終回に総合レポートを課し,技術者としての責任について論述させ,理解度を評価する。総合評価に対する重みは,演習レポート50%,宿題10%,総合レポート40%である。
- [関連科目]
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- [履修要件]
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- [備考]
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