シラバス | - [授業の方法]
- 講義
- [受入人数]
- 120
- [受講対象]
- 自学部他学科生 履修可;3年次,4年次
- [授業概要]
- 各種通信ネットワークとそれを活用するための基礎となる分散処理、インターネット、プロトコルの技術が、実際にどのように使われているかを学習する。また、電話網依存からインターネット、無線ネットワークをベースとするユビキタス情報社会発展への大きな流れの中で,ITの基盤となる情報通信ネットワークとこれらの技術が、社会とどのように関わるかについても理解する。
- [目的・目標]
- インターネットをベースとする情報通信ネットワークが、今後も社会のインフラストラクチャとして、組織・企業生活、個人生活の両面において極めて重要な役割を果たしていくことを理解し、理論、実際の両面から社会や産業界で求められるITのコアとなるシステム技術および将来のユビキタスシステム技術を修得することを目標とする。
- [授業計画・授業内容]
- 情報通信ネットワークは、今や音声通信の電話網にとって代わり、パケットデータ通信を基本とするインターネットに代表されるコンピュータネットワークが主流になっている。本講義では、コンピュータネットワークの基礎となる分散処理の基本原理、主要な通信ネットワークの動作原理を学習した後、インターネットの構造、主要なプロトコル、さらにインターネットをベースに近年急速に技術開発が進展しているマルチメディア通信、P2Pコンピューティング、コンテンツ配信、セキュリティ、無線通信によるモバイル・ユビキタスネットワークの基本方式について習得し、将来の情報通信ネットワークが生出すユビキタス情報社会への発展方向を理解する。
- 情報通信ネットワーク概論
−情報通信ネットワークの変遷と現在(回線交換からパケット交換へ、電話網からインターネットへ、有線からユビキタス無線へ、集中処理から分散処理へ)
- 有線ネットワーク媒体
−有線ネットワークの特徴、技術動向、利用動向、将来動向 −より対(ペア)線、同軸ケーブル、光ファイバ網の原理と動向
−有線LAN(Ethernet)の原理
- 無線ネットワーク媒体
−無線通信の基本原理と主な変調方式、周波数と通信特性
−携帯電話(セルラー)網(FDMA,TDMA,CDMAからLTE,4Gへ)、無線LAN、無線MAN(WiMAX)、無線PAN、短距離無線網の概要
- 分散処理アーキテクチャ
−一極集中型から階層分散のクライアント・サーバ型、対等分散のP2P型(hybrid P2P, pure P2P)への変遷と各形態の特徴、比較
−ネットワーク仮想化とクラウドコンピューティング
- 分散アルゴリズム
−同期、デッドロック、リーダ選出問題、データベースを介した分散トランザクション、重複データ同時更新制御、ACID(原子性、一貫性、独立性、持続性)などの各種分散アルゴリズム
- コンピュータネットワーク基本原理
−通信プロトコルの意味とその階層・体系、これまでの変遷、OSI7層モデル、今後の拡張
- インターネット概要
−インターネットの基本構造・特徴・成立ちと変遷、設計概念とプロトコル体系、WWWの基本原理、標準化機関(IETF, W3C)とその動向
- IPとその関連技術
−経路制御の各種アルゴリズム(RIP/Bellman-Ford, OSPF/Dijkstra)、マルチキャスト制御のアルゴリズム(PIM-SM, SSM)とプロトコル、モバイルIP/NEMO、IPv6)
- TCPとその関連技術
−TCPの動作原理(コネクション制御、フロー制御、輻輳制御、誤り制御、再送制御)、UDPによるマルチメディア通信、TCPのバリエーション
- インターネットにおけるマルチメディア通信
−動画・音声の符号化方式・通信とマルチメディアQoS制御(Intserv/RSVP, Diffserv, RTP/RTCP, RTSP, SIP, MPLS)、トラフィック制御(待ち行列理論の基礎)
- ネットワークセキュリティ
−暗号・認証アルゴリズム(DES/AES, RSA)、ファイアウォール、不正侵入検知・防御(IDS/IPS)、ウィルス対策、ネットワークセキュリティプロトコル(IPsec, SSL/TLS, S/MIME)
- ネットワーク応用システム
−P2Pコンテンツ配信ネットワーク、コンテンツキャッシング、Webサービス、クラウドコンピューティング
- ユビキタスネットワークの種類と動作原理
−ユビキタスシステムアーキテクチャ、標準化動向
−短距離無線(RF-ID、DSRC、NFCなど)、無線PAN(Bluetooth、UWB、ZigBee、ミリ波通信)、無線LAN(IEEE802.11/b/a/g/n)、無線MAN(IEEE802.16/16e)
- ユビキタスネットワークの応用と今後の発展
−モバイルアドホックネットワーク、センサネットワークと省電力通信(スマートグリッド)、ホーム・情報家電ネットワーク、NGN(次世代ネットワーク)、IPTVと通信放送融合
- 将来展望および全体講義の総括とレポート作成
- [キーワード]
- インターネット、ネットワークアーキテクチャ、ユビキタスシステム、分散処理、マルチメディア通信、プロトコル、コンピュータネットワーク
- [教科書・参考書]
- 講義資料はWebに掲載。教科書:「インターネットプロトコル」(阪田編著・オーム社) 参考書:「無線通信技術大全」(阪田編著・リックテレコム)、「詳説 TCP/IP Vol.1 新装版:プロトコル」(R.W.Stevens著、井上監訳)、「情報家電ネットワークと通信放送融合」(阪田編著・電気学会)
- [評価方法・基準]
- 試験、出席、レポートで評価する。
- [関連科目]
- 応用数学、オペレーティングシステム、データベース、マルチメディア情報処理、ディジタル信号処理
- [履修要件]
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- [備考]
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