授業詳細情報
開設年度 2016 年度
科目コード T254008
授業コード T25400801
授業科目名 マイクロ工学
同上英語名 Micro-engineering
単位数 2.0 単位
開講学科 工学研究科人工システム科学専攻(機械系コース) (T271)
開放区分  
担当教員 中本 剛, 大森 達夫
開講時限・
講義室等
後期火曜2限 
自然科学系総合研究棟2 221ゼミ室
科目区分
詳細表
2016年入学生:
選択科目S30(T251:工学研究科建築学コース(後期), T252:工学研究科都市環境システムコース(後期), T261:工学研究科デザイン科学コース(後期), T271:工学研究科機械系コース(後期), T272:工学研究科電気電子系コース(後期), T273:工学研究科メディカルシステムコース(後期), T281:工学研究科共生応用化学コース(後期))
シラバス
[授業の方法]
講義
[受入人数]
20名.
[受講対象]
機械系コースの学生のみを対象とする.
[授業概要]
 機械の微小化にともない,それを構成する機械要素も微小化が要求されており,より微小な機械要素を製作する技術が求められている.微小な機械要素を製作するためには,所望の材料に対して要求された寸法,精度で加工を施すことが必要である.一方,機械の高性能化にともない,マクロサイズの寸法をもつ製品・部品に対しても精度の高い加工を施す,超精密加工も要求されている.対象となる寸法にかかわらず,要求される精度を得て加工を施すための普遍的な事柄について教員が説明する.次に,マイクロサイズの寸法で必要な精度を得るためにはどのような事柄が重要となるかについて教員が講義を行う。
[目的・目標]
【一般目標】マイクロ加工などについて,便覧的に加工方法を学ぶのではない.必要な材料に要求される形状を所望の寸法,精度で加工するためには,どのような事柄を考えなければならないかということに関して,学習者が,考察するきっかけとなることを目的としている. 【到達目標】学習者は,加工対象の寸法や精度などにかかわらず,どのような事項が普遍的な原理として成り立っているのか理解する.加工したり観察したりするときに,どのような限界が存在するのか学習する.学習者は,この限界を克服するために,どのような試みが行われてきたのかを考える.
[授業計画・授業内容]
授業内容は,以下のとおりである.なお,授業外学習として,切削加工などの加工関係の英文論文を読んで概要を記述させる.これは,加工関係の研究がどのようにして行われているかを把握して,授業の理解を助けるためである.この課題の点数は,点数には加えないが,提出しない場合は,定期試験の受験資格を失うことになる.
  1. マイクロ加工,超精密加工に関して後述する前に,汎用加工に関して述べて,その位置づけなどを明らかにする.
  2. 汎用加工のうち,切削加工を例に,概要を述べる.学部で修得した事柄をふまえて,加工中はどのような事柄が特異な条件となるのかなどについて説明する.
  3. 切削理論の概要を述べる.簡単な理論でも,説明できる現象について説明する.
  4. 加工を施す寸法がマクロサイズとマイクロサイズの場合に,加工に現れる現象の違いを述べる.
  5. 母性原理について述べる.強制加工,圧力加工についても説明し,それらが母性原理,ひいては加工精度の向上にどのように関係しているか述べる.
  6. 母性原理,超精密加工について,スライド(パワーポイントファイル)で示す.アッベの原理について説明する.
  7. 生産におけるかたよりの誤差,ばらつきの誤差について述べる.
  8. 長さの標準とその実現方法,時間の標準とその実現方法について述べる.
  9. マイクロマシニングの素材として使用されることが多いシリコンウェハについて,その作り方を説明する.
  10. マイクロマシニングに関連して,フォトリソグラフィーについて概説する.
  11. マイクロマシニングの中で,バルクマイクロマシニングとサーフェスマイクロマシニングについて述べる.LIGAプロセスの説明を行う.
  12. マイクロマシニング,LIGAプロセス以外のマイクロ加工について述べる.光造形法を例に,同一の加工方法でマクロサイズとマイクロサイズの加工を行う際の違いについて説明する.
  13. マイクロサイズの機械や構造物においては,どのような物理的な現象が顕著になるかについて述べる.
  14. 光を用いて加工したり,観察するときに,その解像度に関して,どのような限界が存在するのか概説する.
  15. 前回,述べた限界をふまえて,さらに解像度の高い加工,観察を行う方法について述べる.
  16. 期末試験
[キーワード]
マイクロ加工,超精密加工,マイクロ構造物
[教科書・参考書]
特に指定しない
[評価方法・基準]
授業の欠席回数が4回に達した時点で期末試験の受験資格を失う.成績は,期末試験で評価し,60点以上を合格とする.宿題を課すことがある.宿題の点数は,成績評価には用いないが,最低レベルに達していない場合は,再提出となることがある.宿題を期限までに提出しなかった場合は,その時点で,期末試験の受験資格を失う.
[関連科目]
なし
[履修要件]
学部で加工に関する授業を履修していること.
[備考]
関連URL  
備考 [T20401101]からコピー。 聴講のみは認めない.単位取得を前提として授業に出席すること.したがって,宿題を期限までに提出しなかったり,欠席回数が4回に達したりした時点で,授業に出席することもできなくなる.

, Last modified: Wednesday, 23-Mar-2016 23:00:48 JST, syll Ver 2.80(2016-02-13) by Yas